親にだって言えない感情を、
親以外の大人にぶつけることなんてできない。
例えば学校。
家族ですら理解し合えないことを他人が理解してくれるなんて思えない。
大人は特に。
先生も、誰かの親も、他人ではないけれど親戚だって。
すっかり卑屈になってしまった私の心は、
誰かに頼ることを完全に拒否してしまっている。
「うちのママに言ってみよっか?」
「絶対やめて。琴音、気持ちはうれしいよ。本当に。心配してくれてありがとう。でもママさんだっていきなり言われたら困るたい。それにそこからどっかに連絡とかされたりしたらさ。大事になるかもしらん。それこそ…」
「ますます壊れちゃいそう?」
「…うん」
「あんずはやり直したかとね」
「分からん」
「でもどうなったってよかとやったらとっくにSOS出しとるやん。まだなんとかしたかけん我慢しとっちゃろ」
「分からんけど…とりあえず今はさ、きっちゃんのことのあるたい。そっちばどげんかしたら、またちゃんと自分のことも考えるけん」
「分かった。そん時はちゃんと私のこと頼るとばい?」
「ありがとう、琴音」
親以外の大人にぶつけることなんてできない。
例えば学校。
家族ですら理解し合えないことを他人が理解してくれるなんて思えない。
大人は特に。
先生も、誰かの親も、他人ではないけれど親戚だって。
すっかり卑屈になってしまった私の心は、
誰かに頼ることを完全に拒否してしまっている。
「うちのママに言ってみよっか?」
「絶対やめて。琴音、気持ちはうれしいよ。本当に。心配してくれてありがとう。でもママさんだっていきなり言われたら困るたい。それにそこからどっかに連絡とかされたりしたらさ。大事になるかもしらん。それこそ…」
「ますます壊れちゃいそう?」
「…うん」
「あんずはやり直したかとね」
「分からん」
「でもどうなったってよかとやったらとっくにSOS出しとるやん。まだなんとかしたかけん我慢しとっちゃろ」
「分からんけど…とりあえず今はさ、きっちゃんのことのあるたい。そっちばどげんかしたら、またちゃんと自分のことも考えるけん」
「分かった。そん時はちゃんと私のこと頼るとばい?」
「ありがとう、琴音」



