空に還る。

「おー、あんず。あれ、琴音ちゃんね?」

「かのさん、お久しぶりです」

「暑かね。こげんとこ来てもなんも無かろうに」

「それがよかとばい。静かでさ」

「うーっわ。琴音、ディスったやろ?」

「褒めたったい!」

私達の言い合いに笑いながら、かのちゃんはサコソウに「こんにちは」って言った。

「こんにちは、初めまして。迫颯馬っていいます」

「サコソウって呼んであげて。琴音の彼氏」

「あら。琴音ちゃん、色気づいて」

「もー、やめてくださいよー」

今度こそ、琴音もサコソウも照れて顔を赤くした。

「じゃあね、かのちゃん。松、気をつけてね」

「はいよー」

かのちゃんは高枝切りばさみを自分の腕みたいに振って見せた。
物騒で笑ってしまった。