空に還る。

「告ってしまった!」

「えっ、マジ?」

「マジよ。今日しか無かばいねって思ったけん」

「凄かやん!それで?その反応ってことは…」

「付き合うことになりましたー!」

「えーっ!マジおめでとう!よう頑張ったたい!」

「あんずも喜んでくれると?」

「は?当たり前やろ」

「自分だけ彼氏作ってとか思わん?」

「なん、それ。マウントですかぁ?私は琴音にとってそげん嫌な親友ね?」

「違うよ!でもあんずのことも大好きやけん…。距離置かれたらどうしようって不安もあったと。なんか…遠慮とかあるやん?」

「そりゃちょっとは遠慮はするばい。邪魔したくなかけん。やけんって琴音が嫌いとか絶対違うけん。大丈夫って!」

「ありがとう、あんずー!」

「おめでとう!またゆっくりノロけんね」

「えっへへ。今度三人で遊ぼ」

「いやいや、だけん…」

言いかけて、「邪魔するの、嫌だ」って言おうとしたことを、私は考え直した。

二人にきっちゃんを会わせよう。

きっと私だけじゃ、きっちゃんを元の時代に帰す方法には辿り着けない。

こんな異次元な話、他の人にしようものならきっと脳神経がおかしくなったって疑われてもしょうがない。

でも、琴音なら大丈夫だって思った。
琴音はいつだって、私を信じてくれたから。

「あんさ、琴音…」