空に還る。

義父は子どもに関心は無いし、
生活面でも、「これからはきちんと暮らしていく」と言った手前、
祖父には金銭面において十分な余裕があったけれど、プライドが高い母は、援助を頼まなかった。
裕福な暮らしが送れるわけじゃないのに、どうして子持ちの母と結婚したのか分からなかった。

家族の中には祖父が居たけれど、
別々の家で暮らしている。

家の中に「異性」が居るっていうだけでも小学生だった私には違和感として浮いているのに、
何が楽しくてここに居るんだろうと、未だに不思議に思う。

去年。中二の夏休み頃から、高一だった姉が繁華街で頻繁に補導されるようになった。

良くて警察署へ迎えに、
酷い時には「補導したけれど逃げ出した」と連絡が入って、
両親は揃って夜の街中、姉を探し回った。

そのたびにコンビニのお弁当だけを渡されて、
一人には広すぎるリビングで、何度も夜を越えた。

姉は学校の友達とうまくいっていなくて、
中学の同級生の「ちょっと悪い人達」とツルむようになって、
おまけに一番身近な大人である親への反抗心がぶくぶくと育っていたからか、
顔を合わせるたびに母との衝突が絶えなくなった。