空に還る。

長崎は有名な観光スポットであり、
修学旅行生も、海外からの観光客も毎日当たり前のように沢山すれ違う。

そのたびに思う。
こんなところにお金をかけてまでやって来て、
何が楽しいのだろう、と。

山や、坂の上から見ると、よく分かる、
異国情緒溢れる街並み。

オランダやポルトガルの雰囲気が漂う、
オレンジ色の建物が立ち並ぶ。

坂の途中にもひしめき合うように家々があって、
それらにバリアを張るようにして、
山、川、海が四方に広がっている。

私は、私が生まれた、
この長崎の町が嫌い。

大嫌い。

ううん。
私が嫌いなのは、私自身。
それをこんなにも不便な町のせいにして
自分の″無価値″から逃げている。

私なんか、さっさと死ねばよかとにさ。