空に還る。

地元、長崎県長崎市。

どこを見ても山、川、海。
なんならこの中学校の校舎は海の目の前の立地。

授業中、ボーッと窓の外を見れば
体育に励む他のクラスの生徒達か、山か海しか視界には入らない。

おまけに私の地元なんてもっと酷い。
小学校から中学まで、私達は持ち上がりだった。

中三になった今、同級生とは九年間の時間を共に過ごしたことになる。

私はみんなとは保育園が違ったけれど
同じ人達はもーっと長い時間、一緒ってこと。

私の住む田舎町の、学区内の小学校と中学校がF町にあるココだった。
ここに出てくるのでさえ、バスで十分弱。
徒歩になると山を越える必要があるから二時間はかかる。

市内の繁華街に出ようともなると、
同級生達の住む町にはバスも沢山走っているのに、
私の地元の手前、このF町の車庫でおしまい。

だから地元の町よりももっと先まで行くバスを待つ為に、人よりも何倍も時間がかかる。

おまけにバスの本数は、良くて一時間に一本。
最終バスは二十時半。
なんて苦行で、不公平なんやろう…。