「私のこと、からかいよると?八月九日やし、なんかそういう…」
「八月九日…」
「きっちゃん?」
きっちゃんは壁に画鋲で留められているカレンダーを凝視している。
酒屋のおばちゃんが毎年くれる、カレンダーの全ページの下部に酒屋の名前と電話番号が印字されているだけのシンプルなやつだ。
「今日は八月九日で間違いなかね?」
「そりゃそうたい。さっき黙祷…」
「何年?」
「何年って」
「今。何年」
私もカレンダーを見つめる。
右上に太めの字体で印字されている、「2025」を声に出した。
「二○二五年?」
「二○二五年、令和七年やん」
「れいっ…」
「きっちゃん…?あんた…どこから…」
「せん…一九四五年…昭和、二十年…………」
きっちゃんが言ったその数字は、
冗談や夢じゃなきゃ、困る。
「八月九日…」
「きっちゃん?」
きっちゃんは壁に画鋲で留められているカレンダーを凝視している。
酒屋のおばちゃんが毎年くれる、カレンダーの全ページの下部に酒屋の名前と電話番号が印字されているだけのシンプルなやつだ。
「今日は八月九日で間違いなかね?」
「そりゃそうたい。さっき黙祷…」
「何年?」
「何年って」
「今。何年」
私もカレンダーを見つめる。
右上に太めの字体で印字されている、「2025」を声に出した。
「二○二五年?」
「二○二五年、令和七年やん」
「れいっ…」
「きっちゃん…?あんた…どこから…」
「せん…一九四五年…昭和、二十年…………」
きっちゃんが言ったその数字は、
冗談や夢じゃなきゃ、困る。



