空に還る。

「姉ちゃん、誰ね…?」

「へっ…?」

「どっから来た?ここでなんしよる?なんね、その格好は、おなごはもんぺば…!」

少年は早口で捲し立てる。

おなご?
もんぺ?

もんぺなんてそれこそこんな時代に履いている女子なんて居ない。

「きみ、なん言いよると?一人?どっから来たと?ここの子じゃないよね?田舎に帰省?どこんち?」

「姉ちゃんこそなん言いよるとね?なんば暢気に…」

言いかけて少年は勢いよく空を仰いだ。
一瞬でハッと大きく息を吸い込んで、
そこからは心肺停止してしまったようにピタリと動きを止める。

やがて、スーッと静かに、細く息を吐き出す音がして、少年は小さく掠れた声で「悪魔は?」って言った。