空に還る。

一体何が起きたのか、理解が追いつかない。
痛みを訴えるその声が私のものだったのか、
それとも…いや、両方かもしれない。

何かがぶつかってきた衝撃。
背中を思い切り押されて、石から転げ落ちなかっただけでも自分の体幹を褒めてあげたい。

ん…?両方?

ちょっと待って、誰?
どこから来た?
黙祷を捧げている、ほんの一瞬目を瞑っているうちに?

さすがにそこまで気配消せる?

ってかマジで誰なん?

夏の熱を吸収して熱くなった石の上。

私と、この町では絶対に見かけたことの無い、
見ず知らずの少年がジッと対峙している。

どちらも相手を観察するように。
出方を図れない敵を威嚇するみたいに。

丸刈り。
痩せて、小さい少年の膝小僧。

奥二重で、存在感のある、丸くて真っ黒な瞳。
薄いくちびる。
少し痩せ落ちた頬。

カーキグリーンの、自衛隊の人が着用しているみたいな、
確かこれって、国民服って言うんじゃなかったっけ。

ズボンを膝の上まで捲っているせいで
その小さい膝小僧が露わになって、
服のサイズが大きく見える。

八月九日だから?
あまりにも強い県民性で?