八月十五日。
長崎に原爆が投下されてから六日後。
日本は終戦を迎えることを、きっちゃんは知らない。
終戦は一九四五年。八月十五日。正午。
昭和天皇によって詔書が朗読されたレコードが
玉音放送としてラジオから流された。
今、昭和二十年に帰ることができても、
あの苦しみが半永久的に続くんじゃないかと恐怖に怯える日々が待っている。
それでもきっちゃんは家族にもう一度逢えることだけを願っているんだ。
だったらもう、今日しかないと思った。
本来は終戦を迎えるこの日。
誰も「日本国民」として、
希望の光を、終戦を迎えた歓び、安堵を口には出せないまま、
大切な人達の尊い命を奪い、そして「敗戦」という事実に涙を流したあの日を迎える前に。
きっちゃんは正しい時間に戻って、
命の輝きを、愛する家族の元で謳歌しなければいけない。
それがどんなに苦しくても。
終わりが見えない、煤けた世界の中でも。
そこには、絶対にきっちゃんが取り戻さなきゃいけない愛が在るんだから。
長崎に原爆が投下されてから六日後。
日本は終戦を迎えることを、きっちゃんは知らない。
終戦は一九四五年。八月十五日。正午。
昭和天皇によって詔書が朗読されたレコードが
玉音放送としてラジオから流された。
今、昭和二十年に帰ることができても、
あの苦しみが半永久的に続くんじゃないかと恐怖に怯える日々が待っている。
それでもきっちゃんは家族にもう一度逢えることだけを願っているんだ。
だったらもう、今日しかないと思った。
本来は終戦を迎えるこの日。
誰も「日本国民」として、
希望の光を、終戦を迎えた歓び、安堵を口には出せないまま、
大切な人達の尊い命を奪い、そして「敗戦」という事実に涙を流したあの日を迎える前に。
きっちゃんは正しい時間に戻って、
命の輝きを、愛する家族の元で謳歌しなければいけない。
それがどんなに苦しくても。
終わりが見えない、煤けた世界の中でも。
そこには、絶対にきっちゃんが取り戻さなきゃいけない愛が在るんだから。



