この恋は妄想じゃありません

「みんな知ってるやつがいいよねー」


「真面目にやるかネタ系に走るかだよなー」



うちのクラスには演劇部の子が何人かいるので、その子たちを頼りにやる形になった。



「シンデレラはどう?」



そう提案したのは演劇部の部長をやっている、林田(はやしだ)さん。



「台本考えやすいかなーって」



林田さんは、中学校の頃から演劇部だったらしく台本を書くのは得意らしい。




きっと私が書いている小説とはまた違うんだろうなーと思った。




「演劇部がそう言うなら!」



「シンデレラいいじゃん」



他にも、候補は色々出ていたものの「話が分かりにくい」とか「話が長い」とかでどれも却下になっていた。



その点シンデレラは、みんな知っているし、話もそんなに長くない。



担任の先生もいいじゃんと言ってくれて、満場一致でシンデレラに決まる。



シンデレラ…楽しそうだな!