この恋は妄想じゃありません

予想通り、周りのお客さんは女の子ばっかり。



こういう恋愛映画を瀬名くんと見るってなんか緊張する。



っていうか緊張したら負けだ!



それ瀬名くんのこと意識しちゃってるもん。



なのに、瀬名くんはポップコーンまで持ってくれている。



なんでそんなに優しいんだろ、意識しちゃうじゃんずるい。




映画館の席についたら、色んな映画の広告をやっていた。



「あの映画、怖いらしいね」



一際目に止まったホラー映画は、心菜ちゃんが見に行ってめちゃくちゃ怖かったと言っていたもの。



「莉紗先輩、怖いの嫌いなの?」


「うん」


「へー可愛い」



ダメだ、この人話通じない。



口を開けば可愛い好き付き合っての3つのうちランダムでどれか出てくる。



今そういうこと言われたら無駄に反応しちゃう。



早く映画が始まりますように…!



そう願っているうちに、10分ほどで映画が始まった。