この恋は妄想じゃありません

ファミレスに入ってから約1時間。



「ちょっと飲みものとってくる」



勉強に集中しちゃって喉が渇いたので、ドリンクバーに行くことにした。



「俺も行きたい」



席を立つと、瀬名くんも行きたいと言う。



多分集中力が切れたからか私と話すからかどっちかかな…?



いや、どっちもかも。



ドリンクバーのところについて、瀬名くんは口を開いた。



「莉紗先輩あいつのこと好きなの?」


「えっ?」



あいつっていうのは夏川くんのことだろう。



他の人の話題が出てくるとは思わなかった。



やっぱり瀬名くんの言うことは予測できない。



っていうかなんでそんな考えに至ったのか…。




「す、好きじゃないよ?」



私が夏川くんのこと好きって…。



もちろん人間としては好きだし尊敬しているけど瀬名くんが想像するような間柄じゃない。



「ならいーや」



瀬名くんの曇った顔がパッと晴れる。