この恋は妄想じゃありません

期末テストが終わればすぐ夏休みがくる。



それをモチベーションにみんな勉強を頑張っていた。



「莉紗!今日カフェ行って勉強しない?」



放課後、心菜ちゃんが駅前に新しくできた話題のカフェのウェブページを見せてきた。



「それ、バズってるとこだよね」



「そうそう。めっちゃ可愛いよね」



予定がなかったら嫌われないように行ってきたと思うけど、珍しく今日は予定がある。




「ごめんね心菜ちゃん、今日予定あるんだよね、また今度でもいい?」



できるだけきつい言い方にならないようにやんわり断ると、心菜ちゃんは



「莉紗が生徒会以外に予定なんて珍しいねー!また今度行こ」



と言ってくれた。



よかったと一安心しながら、先客のところへ向かう。



「あ!有村先輩」



下駄箱には小宮さんが来ていた。



「小宮さんっていっつも来るの早いよね」



小宮さんは生徒会の日も来るのが大体早くて遅刻しているところは見たことがない。



「なんとなく早く来ちゃうんです」



そう言っていたけどしっかりした子なんだろうと思った。