この恋は妄想じゃありません

「無理」


はぁ、なんでこんな後輩が生徒会に入ってきちゃったんだろう。



どう見ても生徒会に入るようなキャラじゃないし、チャラいし女遊び激しそうなタイプなのに。



なんで私なんかにちょっかいかけてくるの。



「私、今日急いでるから」



こんな後輩に構ってる暇はない!



早く帰って小説の続きを書かないとだよ…。



「めずらし、先輩暇そうな顔してんのに」



暇そうな顔って何…?



だんだんイライラしてきたんですけど。



タメ語、下の名前呼び、どれも後輩とは思えない態度だ。



この後輩とあと一年も付き合っていくと思うと貧血で倒れそう。



周りの人たちは、真面目に掃除して順調に進んでるのに私たちは全く進んでいない。



とりあえず窓を開けるところから始めよう。



窓の掃除なんて溝と窓全体をふいたら終わりなんだから。



窓を開けると、まだ夏は遠そうな春の暖かい空気が流れ込んできた。