この恋は妄想じゃありません

もうきっとその瞬間から俺は恋に落ちていたのかもしれない。



そのあと、母親が迎えに来て先生やら周りの生徒やらに頭を下げた。



気持ち悪さと倦怠感はほとんどなくなっていてむしろやる気に変わっていた。



家への帰り道、俺は母親に言った。



「今までごめん、俺行きたい高校見つけた。今から勉強頑張るから」



自分でも今自分がすごく清々しい表情をしているのがわかる。



母は一瞬驚いた表情をしたけどすぐ元通りに戻った。



「応援するね」



これにて親子喧嘩は終結だ。



家に帰って先輩がきていた制服を何とか思いだしながらネットでとにかく一致する高校の制服を見つけ出そうと頑張った。



「これだ」



十個目の高校の制服をみてこれだとピンとくる。



紺色のリボン、ラインの入ったスカート。



春から俺は絶対この高校に行く。



そして生徒会に入る。



そう決めて俺は以前の自分からは想像できないような集中力で勉強をした。



─────あの日からずっと俺は莉紗先輩が好きだ。