この恋は妄想じゃありません

「先生呼んできますね」


「大丈夫です。もう体調よくなってきたんで」


「家まではあとどれくらいですか?」


「十分くらい」


「また倒れちゃったら大変だしもうちょっと安静にしてたほうが多分いいです」



なのに彼女はまだ俺によくしようとしてくれる。



最近はほぼ誰も俺に優しく接してくれなかった。



強がっていたけど実際こんな優しくされるとやっぱり人間なんでうれしくないわけなかった。



しばらくすると彼女の先生とやら言う人が来た。



これは後から聞いた話なのだがどうやら生徒会活動のごみ拾い中だったらしい。



先生は40代くらいのおじさんでよく先生にいるような感じだったが、



「親御さんに連絡しましょうか、電話番号わかりますか?」



と教師らしい対応をしてくれた。



本当は親呼ばれるのは嫌だったけどこんなによくしてもらってそんなこと言えるはずもなかった。



そしてその後、母親が来るまでの間にさっきの高校生がコンビニでゼリーやお菓子なんかを買ってきてくれた。