この恋は妄想じゃありません

っていうか雰囲気的に高校の制服だろう。



片手にはごみ袋を持っていてもう一方の手でごみをつかむ用のトングを持っている。



めまいがするけどそれだけがよく見えた。



どうみてもごみ拾いをしている高校生だ。



こんな暑い日になんでごみ拾いなんかしてんだと思う。



「とりあえず日陰いきましょう!歩けますか?」



気持ち悪いけど少しの距離なら歩けそうだ。



高校生が小さな体で俺を支えながら日陰まで一緒に歩いてくれる。



まだ俺って見捨てられてなかったんだなってその時思った。



「私水買ってきます」



さらに彼女はごみ袋をその場に投げ捨てて走り出した。



近くの自販機まで行ってくれたみたいで俺の前には600mlのペットボトルが差し出された。



「あざっす」



ゆっくりと水を口に運ぶと少し気持ち悪さは落ち着いた。



申し訳ないから水のお金を払ってもう一回感謝してもうその場を去ろうとする。