この恋は妄想じゃありません

「ゆ、雪野アリサです。あ、本名は有村莉紗です」



たどたどしい自己紹介をしてみれば、



「えっ!?本物…?やばい泣きそう」



と2階に帰っていった。



と思えば、白い色紙をもってもう一度こっちに現れた。



「サイン書いてください!」



さ、サイン?



私サインなんて持ってないんだけど。



即興で考えたサインを書いたら妹さんはすごく喜んでくれた。



「妹の真結(まゆ)です」



すごくいい子そうで、食い気味に



「あの私も小説書きたいんですけど何から始めればいいですか?」



と聞いてくれた。



「もう真結そんな聞かないで」



三琴くんは呆れた様子で、言うけど



「お兄ちゃんいっつも家で莉紗さんが可愛いってうるさいんです」



と返されて



「言わないで」



と焦っていた。



「ふふっ」



すごく仲がよくて、なんだか微笑ましい。