この恋は妄想じゃありません

一瞬ほっとした後に我に返る。



やっぱり抱きしめられたよね!?



今回のはこの間のとはちがって偶然なんかじゃなかった。



そして、夏川くんの言葉を思い出す。



「言いたいことあるからステージ裏で待ってて」



って確かに言われた。



すっぽかすわけにはいかないけど、多分いったら告白される。




さっき抱きしめられて確信した、告白だ。



「莉紗ー良かったよ」


「有村さん完璧だったよ」



劇が終わると、心菜ちゃんや林田さんがこっちに来てたくさん褒めてくれた。



…上手くいってよかった。



その後、みんなで写真を撮ったあと私はステージ裏に行った。



「ごめん呼び出して」



そこにはもう夏川くんの姿があった。



「…うん」



これから発される言葉を分かっていながら何も言えなかった。



「有村さん、俺さ。ずっと有村さんのこと好きでした」



案の定、夏川くんに告白された。



わかっていたのに本当に言われてしまうと恥ずかしくなる。