この恋は妄想じゃありません

「夏川くんはもっと明るくてかわいい子が似合うって」



正直、夏川くんが私みたいな静かなタイプと付き合うわけない。



まぁ恋愛小説を書いていることがばれないようにできるだけ失言を減らすために静かにしているだけだけど。



「いや違うね莉紗、あぁいうキラキラしたのって莉紗みたいな美人で高嶺の花を好きになるんだよ」



探偵のように言ってくる心菜ちゃん。



ちょっと何言ってるのかわかんないけど。



「てか今日の心菜ちゃんのリップかわいいね、変えたでしょ」



ここでこれ以上この話題をさせないためにうまく会話をそらす。



高校デビュー時に垢抜けるために読んだなんかの本で読んだ、相手を褒めて会話をそらす術。



うんうん、使える。



「え！気づいた？」



心菜ちゃんは嬉しそうに目を輝かせる。



「もちろん！前のオレンジ系のもかわいかったけど今日のも大人っぽくてめっちゃいい」



やっぱり嫌われないためには相手を褒めることが大事だと思う。