この恋は妄想じゃありません

よし、気合い入れて頑張るぞ!



気合いを入れ直して、教室に行くともう私たち以外は揃っていた。



私たち以外っていっても今日来ているのは、林田さんと他の演劇部メンバーだけだけど。



「2人で来るなんて仲良いねぇ」



ニヤニヤする林田さんに変な誤解をうませないように、



「たまたま下駄箱で会っただけだから!」



という。



「そーなの?じゃはじめよっか」



今日の練習はセリフを読む練習みたいだ。



「まだ台本は出来ていないから演劇部のやつだけど」



どんなセリフを言うにしても、発声、発音が大事らしく今日はそれを教えてもらうらしい。



「じゃあ2人。このセリフ読んでみて」



差し出された台本は、シンデレラとは全く関係ないもの。



セリフが青の文字のところと赤の文字のところに分かれている。



「赤文字を有村さん、青文字を夏川くんね」



私は赤文字を読めばいいのか。



「じゃあ読んでみて」



練習する時間はないみたいだけどとにかく噛まないようにだけ気をつけて読めば大丈夫だよね…。