長谷部が出て行ってしばらくすると、フルコースのフランス料理が運ばれて来た。
「わあ、すごく豪華だね。ワインにケーキも!これって長谷部さんの計らいなのかな?」
「ああ、そうだろうな」
「いいのかな?いただいちゃって」
「食べない訳にもいかないだろ?それにもしかすると、ちゃっかりチェックアウトの時に請求されたりして」
えっ?とめぐが声を上げると、弦は楽しそうに笑う。
「ま、それならそれでいいから。とにかく食べよう」
「うん、いただきます」
二人で美味しく料理を味わうと、時刻は23時を回った。
「めぐ。この部屋今夜はめぐが使って。俺は帰るから」
弦はそう言いながら荷物をまとめる。
「そんな!氷室くんが予約したんだから、氷室くんが泊まって」
「いや、長谷部さんのおかげで明日も泊まれることになったから、俺は明日でいいよ。それにもう夜遅い。めぐはこのままここに泊まれ」
「でも……」
めぐはうつむいて躊躇する。
すると弦は手を止めて、めぐと正面から向き合った。
「めぐ」
「え、なに?」
「今の俺とめぐは友達同盟で、何でも素直な気持ちを伝える約束だったよな?」
「うん」
「だから伝える。めぐ、俺はやっぱりめぐが好きだ」
めぐは思わず息を呑む。
弦の真っ直ぐな視線に吸い寄せられるように目をそらせなかった。
「どうやっても諦められない。どんなに気持ちを抑え込もうとしても、めぐが好きでたまらない。だから必ずめぐを振り向かせてみせる。本気でめぐの心を奪いに行く」
そして弦は、ふっと不敵な笑みを浮かべてめぐの頭をクシャッとなでた。
「覚悟しとけよ?」
耳元でそうささやくとスッとめぐのそばを通り過ぎ、弦はそのまま部屋を出て行った。
「わあ、すごく豪華だね。ワインにケーキも!これって長谷部さんの計らいなのかな?」
「ああ、そうだろうな」
「いいのかな?いただいちゃって」
「食べない訳にもいかないだろ?それにもしかすると、ちゃっかりチェックアウトの時に請求されたりして」
えっ?とめぐが声を上げると、弦は楽しそうに笑う。
「ま、それならそれでいいから。とにかく食べよう」
「うん、いただきます」
二人で美味しく料理を味わうと、時刻は23時を回った。
「めぐ。この部屋今夜はめぐが使って。俺は帰るから」
弦はそう言いながら荷物をまとめる。
「そんな!氷室くんが予約したんだから、氷室くんが泊まって」
「いや、長谷部さんのおかげで明日も泊まれることになったから、俺は明日でいいよ。それにもう夜遅い。めぐはこのままここに泊まれ」
「でも……」
めぐはうつむいて躊躇する。
すると弦は手を止めて、めぐと正面から向き合った。
「めぐ」
「え、なに?」
「今の俺とめぐは友達同盟で、何でも素直な気持ちを伝える約束だったよな?」
「うん」
「だから伝える。めぐ、俺はやっぱりめぐが好きだ」
めぐは思わず息を呑む。
弦の真っ直ぐな視線に吸い寄せられるように目をそらせなかった。
「どうやっても諦められない。どんなに気持ちを抑え込もうとしても、めぐが好きでたまらない。だから必ずめぐを振り向かせてみせる。本気でめぐの心を奪いに行く」
そして弦は、ふっと不敵な笑みを浮かべてめぐの頭をクシャッとなでた。
「覚悟しとけよ?」
耳元でそうささやくとスッとめぐのそばを通り過ぎ、弦はそのまま部屋を出て行った。



