「すっごい!私の食べたかったもの全部!」
弦がテーブルに買ってきたものを並べると、めぐは目を輝かせて覗き込んだ。
「スモークターキーレッグとトマトカルツォーネ、チキンパオにストロベリーワッフルにアップルシナモンチュロス!」
「あと焦がしキャラメルのサンデーもあるぞ。フリーザーに入れておくからあとで食べよう」
「うん!ありがとう、氷室くん」
「どういたしまして。今日一番の笑顔だな、めぐ」
「だって嬉しいんだもん。早速食べていい?」
「もちろん、どうぞ」
いただきます!とめぐは食べ始める。
「どれも美味しい!パークの食べ歩きメニューって、いつもいいなーって横目で見てたから食べられて嬉しい」
「ああ。毎日パークにいるのに意外と食べる機会もないしな」
「うん、期間限定のフレーバーとか特にね。チュロスのアップルシナモンも、来週からパンプキンに代わるし。はあ、幸せ」
「ははっ!めぐはほんとに美味しそうに食べるよな」
「美味しそうじゃくて、美味しいんだもん」
「たくさん買い過ぎたと思ったけど、どうやらそうでもなかったみたいだ」
「ペロッといけちゃうね」
デザートのサンデーまで食べ終わると、めぐは満足そうな笑顔を浮かべた。
「ごちそうさまでした。氷室くん、ありがとね。お金払うよ、いくらだった?」
「まさか、いいよ。社割で安く買えたし」
「そっか、ありがとう。何かお返ししなくちゃね。ハロウィンメニューをたくさん買って食べ比べとか?」
「パンプキンか。俺、かぼちゃは煮物とかで食べる方がいいな」
「そうなの?おフランスの血を引いてるのに意外と日本男児だよね、氷室くんって」
「おフランス言うな。生まれも育ちも日本だから、自分では生粋の日本人だと思ってる」
へえ、とめぐは改めて弦の横顔を見る。
「そう言えば、お母さんのお話聞いたことなかったね。フランスの方なんでしょう?ずっと日本に住んでらっしゃるの?」
「ああ。日本語の通訳として、フランスに仕事で滞在してた親父と知り合ったから、うちでもずっと日本語なんだ。だから俺は全くフランス語が話せない」
「そうなんだね。ボンジュール、ムッシュ」
「ぶっ!めぐ、お前こそ顔に似合わずなんか変わってるぞ」
「え?どこが?」
「なんか……、一見高嶺の花かと思いきや中身はごくごく普通。いい意味でだぞ?普通にパクパクご飯食べるし、普通に楽しそうにしゃべって笑うし、普通に色んなもの見て感激するし、ころころ表情が変わって無邪気で可愛い。って、ごめん。何言ってんだ俺」
弦は口元を片手で覆ってうつむいた。
しまった、とでも言うように顔をしかめている。
その頬がほんのり赤くなっていて、めぐは思わずドキッとした。
「そろそろ行くか。ショーの前にテレビクルーと合流しないとな」
取り繕うように立ち上がり、弦はテーブルの上を片づけていく。
「そうだね」
めぐもパンプスを履き直して立ち上がった。
弦がテーブルに買ってきたものを並べると、めぐは目を輝かせて覗き込んだ。
「スモークターキーレッグとトマトカルツォーネ、チキンパオにストロベリーワッフルにアップルシナモンチュロス!」
「あと焦がしキャラメルのサンデーもあるぞ。フリーザーに入れておくからあとで食べよう」
「うん!ありがとう、氷室くん」
「どういたしまして。今日一番の笑顔だな、めぐ」
「だって嬉しいんだもん。早速食べていい?」
「もちろん、どうぞ」
いただきます!とめぐは食べ始める。
「どれも美味しい!パークの食べ歩きメニューって、いつもいいなーって横目で見てたから食べられて嬉しい」
「ああ。毎日パークにいるのに意外と食べる機会もないしな」
「うん、期間限定のフレーバーとか特にね。チュロスのアップルシナモンも、来週からパンプキンに代わるし。はあ、幸せ」
「ははっ!めぐはほんとに美味しそうに食べるよな」
「美味しそうじゃくて、美味しいんだもん」
「たくさん買い過ぎたと思ったけど、どうやらそうでもなかったみたいだ」
「ペロッといけちゃうね」
デザートのサンデーまで食べ終わると、めぐは満足そうな笑顔を浮かべた。
「ごちそうさまでした。氷室くん、ありがとね。お金払うよ、いくらだった?」
「まさか、いいよ。社割で安く買えたし」
「そっか、ありがとう。何かお返ししなくちゃね。ハロウィンメニューをたくさん買って食べ比べとか?」
「パンプキンか。俺、かぼちゃは煮物とかで食べる方がいいな」
「そうなの?おフランスの血を引いてるのに意外と日本男児だよね、氷室くんって」
「おフランス言うな。生まれも育ちも日本だから、自分では生粋の日本人だと思ってる」
へえ、とめぐは改めて弦の横顔を見る。
「そう言えば、お母さんのお話聞いたことなかったね。フランスの方なんでしょう?ずっと日本に住んでらっしゃるの?」
「ああ。日本語の通訳として、フランスに仕事で滞在してた親父と知り合ったから、うちでもずっと日本語なんだ。だから俺は全くフランス語が話せない」
「そうなんだね。ボンジュール、ムッシュ」
「ぶっ!めぐ、お前こそ顔に似合わずなんか変わってるぞ」
「え?どこが?」
「なんか……、一見高嶺の花かと思いきや中身はごくごく普通。いい意味でだぞ?普通にパクパクご飯食べるし、普通に楽しそうにしゃべって笑うし、普通に色んなもの見て感激するし、ころころ表情が変わって無邪気で可愛い。って、ごめん。何言ってんだ俺」
弦は口元を片手で覆ってうつむいた。
しまった、とでも言うように顔をしかめている。
その頬がほんのり赤くなっていて、めぐは思わずドキッとした。
「そろそろ行くか。ショーの前にテレビクルーと合流しないとな」
取り繕うように立ち上がり、弦はテーブルの上を片づけていく。
「そうだね」
めぐもパンプスを履き直して立ち上がった。



