その翌日。
出社した弦は、めぐが課長と何やら話し込んでいるのに気づいた。
どうしたのかと思いつつ席に座ると、ちょうど環奈も出社して来た。
「環奈、おはよう」
「氷室さん、おはようございます」
「めぐ、どうかしたのか?課長と真剣に話してるみたいだけど」
「ああ、スケジュール調整だと思いますよ。雪村さん、ホテルのブライダル部門に頼まれて、ウエディングドレスのモデルをやることになったので」
は?と弦は声をうわずらせた。
「なんだって?ウエディングドレスのモデル?めぐが?」
「そうです。昨日長谷部さんにホテルに呼ばれて、直々にお話があったみたいで」
「えっ、長谷部さんに?」
昨日二人がホテルで会っていた。
そのシーンを想像した途端に、弦の心はもやっとする。
(それになんでめぐは俺に知らせてくれないんだ?いや、昨日の今日だし、俺は別に彼氏でもないから知らせなくて当たり前か)
頭の中ではそう思うものの、どうにも何かが引っかかる。
その時、課長と話を終えためぐがデスクに戻って来た。
「氷室くん、おはよう」
「おはよう」
返事をしてから、チラリとめぐの様子をうかがう。
(俺からは聞かないぞ。めぐから話してくれ。俺に隠し事なんてしないよな?)
心の中で懇願していると、めぐが話しかけてきた。
「あのね、氷室くん」
「うん、なに?」
「実はホテル支配人の長谷部さんからお話があって、ブライダル部門のお手伝いをすることになったの。だから少しスケジュールの調整をお願いしたくて」
「そ、そうか!うん、分かった」
めぐから切り出してくれたことが嬉しくて、弦はついつい笑顔になる。
しかもめぐは、今日もブルースターのネックレスを着けてくれていた。
「無理言ってごめんね、ありがとう。課長には話してあるから。再来週辺りに2日間抜けさせてもらうね」
「分かった。こっちのことは気にするな」
「うん!お願いします」
めぐはにっこり笑うとデスクワークを始める。
弦もパソコン作業に戻った。
が、ふと環奈の言葉が蘇る。
(ちょっと待て。ウエディングドレスのモデルって言ったよな。めぐがドレスを着るのか?何の為に?)
聞いてみようかとめぐの方に顔を向けたが、結局声はかけられなかった。
(変に意識してるって思われたくない。彼氏でもないのに、なんか束縛してるみたいだし)
そう思いつつ気になって仕方ない。
(めぐからもう一度その話をしてくれたら、さり気なく詳細を聞いてみよう)
そう己に言い聞かせ、弦はなんとか気持ちを抑えていた。
出社した弦は、めぐが課長と何やら話し込んでいるのに気づいた。
どうしたのかと思いつつ席に座ると、ちょうど環奈も出社して来た。
「環奈、おはよう」
「氷室さん、おはようございます」
「めぐ、どうかしたのか?課長と真剣に話してるみたいだけど」
「ああ、スケジュール調整だと思いますよ。雪村さん、ホテルのブライダル部門に頼まれて、ウエディングドレスのモデルをやることになったので」
は?と弦は声をうわずらせた。
「なんだって?ウエディングドレスのモデル?めぐが?」
「そうです。昨日長谷部さんにホテルに呼ばれて、直々にお話があったみたいで」
「えっ、長谷部さんに?」
昨日二人がホテルで会っていた。
そのシーンを想像した途端に、弦の心はもやっとする。
(それになんでめぐは俺に知らせてくれないんだ?いや、昨日の今日だし、俺は別に彼氏でもないから知らせなくて当たり前か)
頭の中ではそう思うものの、どうにも何かが引っかかる。
その時、課長と話を終えためぐがデスクに戻って来た。
「氷室くん、おはよう」
「おはよう」
返事をしてから、チラリとめぐの様子をうかがう。
(俺からは聞かないぞ。めぐから話してくれ。俺に隠し事なんてしないよな?)
心の中で懇願していると、めぐが話しかけてきた。
「あのね、氷室くん」
「うん、なに?」
「実はホテル支配人の長谷部さんからお話があって、ブライダル部門のお手伝いをすることになったの。だから少しスケジュールの調整をお願いしたくて」
「そ、そうか!うん、分かった」
めぐから切り出してくれたことが嬉しくて、弦はついつい笑顔になる。
しかもめぐは、今日もブルースターのネックレスを着けてくれていた。
「無理言ってごめんね、ありがとう。課長には話してあるから。再来週辺りに2日間抜けさせてもらうね」
「分かった。こっちのことは気にするな」
「うん!お願いします」
めぐはにっこり笑うとデスクワークを始める。
弦もパソコン作業に戻った。
が、ふと環奈の言葉が蘇る。
(ちょっと待て。ウエディングドレスのモデルって言ったよな。めぐがドレスを着るのか?何の為に?)
聞いてみようかとめぐの方に顔を向けたが、結局声はかけられなかった。
(変に意識してるって思われたくない。彼氏でもないのに、なんか束縛してるみたいだし)
そう思いつつ気になって仕方ない。
(めぐからもう一度その話をしてくれたら、さり気なく詳細を聞いてみよう)
そう己に言い聞かせ、弦はなんとか気持ちを抑えていた。



