その日は弦がオフの日だった。
めぐがいつものように事務所でパソコン作業をしていると、内線電話を終えた環奈が声をかけてきた。
「雪村さん、今日の午後少しお時間取れますか?」
「うん、大丈夫よ。どうかした?」
「ホテル支配人の長谷部さんが、雪村さんに相談したいことがあるんですって」
「長谷部さんが?なんだろう」
「この間ホテルで写真撮影したじゃないですか。写真の選別が終わったあと、長谷部さんにもメールで送ったんです。そしたらその写真がホテルスタッフの間でも好評で、ホテルの宣材写真を雪村さんにお願いしたいんですって」
ええー!?とめぐは驚く。
「それはだめでしょ」
「どうしてですか?」
「だって私はパーク事業部の広報課の社員だもん。ホテル事業部とは違うんだし」
「会社としては同じでしょ?長谷部さん、課長と部長には既に承諾してもらったっておっしゃってましたよ」
「えっ、いつの間に?」
思わず課長のデスクを見るが、普段と変わらず課長は何やら資料に目を通していた。
「長谷部さん、課長にも部長にも、直接雪村さんに話してみてって言われたそうです」
「そうなんだ」
「その前に私の耳にも入れておこうって、わざわざ今連絡くれたんですよ。律儀ですね、長谷部さんって」
「そ、そうだね」
動揺を隠し切れないでいると、環奈は時計を見てからめぐに尋ねる。
「雪村さんが大丈夫なら、13時頃にフロントまで来て欲しいそうです。お昼休憩終わったらその足でホテルに向かってもらってもいいですか?」
「あ、はい。分かりました」
「じゃあ、そうお返事しておきますね」
「うん、よろしくお願いします。課長には私からお話ししておくね」
そうしてめぐは社員食堂でランチを食べたあと、事務所には戻らずにホテルへと向かった。
めぐがいつものように事務所でパソコン作業をしていると、内線電話を終えた環奈が声をかけてきた。
「雪村さん、今日の午後少しお時間取れますか?」
「うん、大丈夫よ。どうかした?」
「ホテル支配人の長谷部さんが、雪村さんに相談したいことがあるんですって」
「長谷部さんが?なんだろう」
「この間ホテルで写真撮影したじゃないですか。写真の選別が終わったあと、長谷部さんにもメールで送ったんです。そしたらその写真がホテルスタッフの間でも好評で、ホテルの宣材写真を雪村さんにお願いしたいんですって」
ええー!?とめぐは驚く。
「それはだめでしょ」
「どうしてですか?」
「だって私はパーク事業部の広報課の社員だもん。ホテル事業部とは違うんだし」
「会社としては同じでしょ?長谷部さん、課長と部長には既に承諾してもらったっておっしゃってましたよ」
「えっ、いつの間に?」
思わず課長のデスクを見るが、普段と変わらず課長は何やら資料に目を通していた。
「長谷部さん、課長にも部長にも、直接雪村さんに話してみてって言われたそうです」
「そうなんだ」
「その前に私の耳にも入れておこうって、わざわざ今連絡くれたんですよ。律儀ですね、長谷部さんって」
「そ、そうだね」
動揺を隠し切れないでいると、環奈は時計を見てからめぐに尋ねる。
「雪村さんが大丈夫なら、13時頃にフロントまで来て欲しいそうです。お昼休憩終わったらその足でホテルに向かってもらってもいいですか?」
「あ、はい。分かりました」
「じゃあ、そうお返事しておきますね」
「うん、よろしくお願いします。課長には私からお話ししておくね」
そうしてめぐは社員食堂でランチを食べたあと、事務所には戻らずにホテルへと向かった。



