写真スタジオで撮影を済ませると、日が暮れかけたキャナルガーデンへと向かう。
突然現れた新郎新婦にゲストは驚くが、めぐは気にすることなくドレス姿でゲストと一緒にランタン作りに参加する。
クルーザーに乗り込むと、ゆっくりと動き出した船上で女の子がめぐに話しかけてきた。

「お姉ちゃん、プリンセスみたい。隣にいるのは王子様?」

めぐはふふっと笑って女の子の前にしゃがみ込む。

「うん、そうだよ。私だけの王子様なの」
「いいなあ。私もいつか王子様に会えるかな?」
「会えるわよ。あなたを幸せにしてくれる、あなただけの王子様にね」

うん!と頷く女の子に、めぐも笑顔で頷いた。
その時、クルーザーが止まってアナウンスが流れる。

「さあ、いよいよランタンフェスティバルのフィナーレです。オレンジ色に輝くたくさんのランタンが、一斉に夜空に浮かび上がります。皆様の願いが叶いますように……。それではまいりましょう。3、2、1、リリース!」

ゲストが手にしたランタンを浮かび上がらせ、わあっと歓声が上がった。
めぐも弦と一緒にそっとランタンを空へと放つ。
弦がめぐの肩を抱き、二人でランタンを見上げた。

「綺麗だな」
「うん。願い事、叶うかな?」
「叶うよ。俺が叶えてみせるから」
「うん!」

皆が空を見上げてランタンに見とれる中、弦はめぐの輝くような笑顔に見惚れる。
優しく抱き寄せてそっと口づけた。

ランタンは、空からそんな二人を照らす。

『ずっとずっと一緒にいられますように…… めぐ&弦』

今日、二人が結んだ夫婦同盟。
それは未来永劫、二人の幸せを約束する。
温かいランタンの灯りに祝福されながら見つめ合う、めぐと弦の幸せを……。

(完)