「ひゃー!雪村さん、綺麗。神々しいまでの美しさ」
午後から半休を取った環奈が、花嫁の控え室でめぐのドレス姿に目を見張る。
「こんなに麗しい花嫁が現実に存在するとは。幻かも?」
真顔で呟く環奈に、めぐは笑い出す。
「環奈ちゃん、中身はいつもの私だよ」
「あらほんと。黙ってるともう、高貴な身分のお方にしか見えませんでしたけどね」
「ぜーんぜんよ。それより今日は来てくれてありがとう」
「こちらこそ、お招きありがとうございます。もう何が何でもお二人の結婚式には参列したかったので、嬉しいです」
「全部長谷部さんのおかげなの。年中無休の職場だから親族だけの挙式も考えてたんだけどね、これなら皆さんにも参列していただけるかもって提案してくれて」
「そうなんですね。長谷部さん、大人だなあ」
長谷部のめぐへの気持ちを知っていた環奈がしみじみとそう言い、めぐも頷いた。
「環奈ちゃんにも長谷部さんにも、感謝の気持ちでいっぱいなの。今までありがとう、環奈ちゃん」
「やだ!まだ挙式前なのに泣かせないでください。でも本当に結婚式って素敵ですね」
「環奈ちゃんは?彼とその後どう?」
「ふふっ、考えてますよ、結婚」
「そうなの?」
「はい。私が営業課での仕事に慣れたら、準備始めようかって。でも既に私、営業成績いいんですよねー。金運アップで結婚運もアップ!」
「そうなんだ!すごい、さすがは環奈ちゃん」
えへへと環奈は照れ笑いする。
「私の結婚式には、雪村さんと氷室さんも来てくださいね」
「もちろん!誰よりも環奈ちゃんをお祝いしたいから」
「私も今日は、誰よりも雪村さんと氷室さんをお祝いしますね」
そう言って環奈は笑顔で控え室を出て行った。
「花嫁様、そろそろチャペルへお願いします」
アテンダントの女性スタッフに言われて、めぐは立ち上がる。
ピンクのバラにブルースターがちりばめられたブーケを手にしてチャペルに向かうと、扉の前で長谷部が待っていた。
「雪村さん、とてもお綺麗です」
「ありがとうございます、長谷部さん」
「どうしてなんでしょう。私、今日は本当に嬉しくて。もっと複雑な気持ちになるかと覚悟していたのに、あなたの笑顔を見たらそんな気持ちが一瞬で吹き飛びました。雪村さん、私は心からあなたの幸せを祈っています。どうぞ氷室さんと末永くお幸せに」
「はい。私がこの日を迎えられたのは長谷部さんのおかげです。長谷部さん、今まで本当にありがとうございました」
「良かったですね、氷室さんと結ばれて。本日は誠におめでとうございます」
最後はホテルマンの顔に戻り、長谷部は深々と頭を下げた。
午後から半休を取った環奈が、花嫁の控え室でめぐのドレス姿に目を見張る。
「こんなに麗しい花嫁が現実に存在するとは。幻かも?」
真顔で呟く環奈に、めぐは笑い出す。
「環奈ちゃん、中身はいつもの私だよ」
「あらほんと。黙ってるともう、高貴な身分のお方にしか見えませんでしたけどね」
「ぜーんぜんよ。それより今日は来てくれてありがとう」
「こちらこそ、お招きありがとうございます。もう何が何でもお二人の結婚式には参列したかったので、嬉しいです」
「全部長谷部さんのおかげなの。年中無休の職場だから親族だけの挙式も考えてたんだけどね、これなら皆さんにも参列していただけるかもって提案してくれて」
「そうなんですね。長谷部さん、大人だなあ」
長谷部のめぐへの気持ちを知っていた環奈がしみじみとそう言い、めぐも頷いた。
「環奈ちゃんにも長谷部さんにも、感謝の気持ちでいっぱいなの。今までありがとう、環奈ちゃん」
「やだ!まだ挙式前なのに泣かせないでください。でも本当に結婚式って素敵ですね」
「環奈ちゃんは?彼とその後どう?」
「ふふっ、考えてますよ、結婚」
「そうなの?」
「はい。私が営業課での仕事に慣れたら、準備始めようかって。でも既に私、営業成績いいんですよねー。金運アップで結婚運もアップ!」
「そうなんだ!すごい、さすがは環奈ちゃん」
えへへと環奈は照れ笑いする。
「私の結婚式には、雪村さんと氷室さんも来てくださいね」
「もちろん!誰よりも環奈ちゃんをお祝いしたいから」
「私も今日は、誰よりも雪村さんと氷室さんをお祝いしますね」
そう言って環奈は笑顔で控え室を出て行った。
「花嫁様、そろそろチャペルへお願いします」
アテンダントの女性スタッフに言われて、めぐは立ち上がる。
ピンクのバラにブルースターがちりばめられたブーケを手にしてチャペルに向かうと、扉の前で長谷部が待っていた。
「雪村さん、とてもお綺麗です」
「ありがとうございます、長谷部さん」
「どうしてなんでしょう。私、今日は本当に嬉しくて。もっと複雑な気持ちになるかと覚悟していたのに、あなたの笑顔を見たらそんな気持ちが一瞬で吹き飛びました。雪村さん、私は心からあなたの幸せを祈っています。どうぞ氷室さんと末永くお幸せに」
「はい。私がこの日を迎えられたのは長谷部さんのおかげです。長谷部さん、今まで本当にありがとうございました」
「良かったですね、氷室さんと結ばれて。本日は誠におめでとうございます」
最後はホテルマンの顔に戻り、長谷部は深々と頭を下げた。



