週末。
めぐと弦は定時で仕事を終えると、長谷部に誘われたホテルのブライダルフェアに参加していた。
ここで結婚式を挙げることは、二人にとって何の迷いもない。
まずは日取りを相談することにした。
ブライダルプランナーの女性の他にも、長谷部が同席してくれる。
「日取りは平日でも構わないということでしたら、週末に比べて随分押さえやすくなります。ご希望はございますか?」
すぐにでも!と身を乗り出す弦を、めぐが苦笑いしながら制する。
「えっと、ホテルやパークの繁忙期を考えて決めたいと思っています。本当は8月がいいんですけど……」
「8月、ですか?」
「はい」
長谷部に問われてめぐは気恥ずかしさに小さく頷いた。
8月は弦の誕生日がある。
それに今年もランタンフェスティバルが開催されることになっていた。
あの綺麗な景色の中で結婚式を挙げられたら、と漠然と思ったが、やはり現実的ではないだろう。
「忙しさが落ち着く9月頃がいいでしょうか?」
めぐがそう尋ねるが、長谷部は一点を見据えて何かを考え込んでいる。
「あの、長谷部さん?どうかしましたか?」
控えめに声をかけると、長谷部は顔を上げてめぐと弦に提案した。
「雪村さん、氷室さん。8月31日はいかがですか?」
「8月の最終日ですか?それって……」
「ランタンフェスティバルの最終日です。ナイトウエディングにして、挙式後にお二人もランタンを浮かべましょう」
えっ、とめぐは驚いて弦と顔を見合わせる。
そんなことが出来るのかと、半信半疑だった。
「お二人にとって忘れられない結婚式にしたいんです。ぜひお手伝いさせてください」
長谷部は身を乗り出して真剣に訴える。
弦はめぐに頷いてから、長谷部に向き直った。
「はい、全て長谷部さんにお任せします。どうぞよろしくお願いいたします」
「本当ですか?雪村さんは?」
聞かれてめぐも頷いた。
「私も長谷部さんにお願いしたいです。長谷部さんになら安心して全てをお任せ出来ます。どうかよろしくお願いいたします」
「ありがとうございます!誠心誠意、お二人の大切な日を素晴らしい時間にさせていただきます。ずっと心に残る幸せな結婚式に」
「はい!ありがとうございます」
長谷部の優しさが痛いほど伝わってきて、めぐは必死に涙を堪えていた。
めぐと弦は定時で仕事を終えると、長谷部に誘われたホテルのブライダルフェアに参加していた。
ここで結婚式を挙げることは、二人にとって何の迷いもない。
まずは日取りを相談することにした。
ブライダルプランナーの女性の他にも、長谷部が同席してくれる。
「日取りは平日でも構わないということでしたら、週末に比べて随分押さえやすくなります。ご希望はございますか?」
すぐにでも!と身を乗り出す弦を、めぐが苦笑いしながら制する。
「えっと、ホテルやパークの繁忙期を考えて決めたいと思っています。本当は8月がいいんですけど……」
「8月、ですか?」
「はい」
長谷部に問われてめぐは気恥ずかしさに小さく頷いた。
8月は弦の誕生日がある。
それに今年もランタンフェスティバルが開催されることになっていた。
あの綺麗な景色の中で結婚式を挙げられたら、と漠然と思ったが、やはり現実的ではないだろう。
「忙しさが落ち着く9月頃がいいでしょうか?」
めぐがそう尋ねるが、長谷部は一点を見据えて何かを考え込んでいる。
「あの、長谷部さん?どうかしましたか?」
控えめに声をかけると、長谷部は顔を上げてめぐと弦に提案した。
「雪村さん、氷室さん。8月31日はいかがですか?」
「8月の最終日ですか?それって……」
「ランタンフェスティバルの最終日です。ナイトウエディングにして、挙式後にお二人もランタンを浮かべましょう」
えっ、とめぐは驚いて弦と顔を見合わせる。
そんなことが出来るのかと、半信半疑だった。
「お二人にとって忘れられない結婚式にしたいんです。ぜひお手伝いさせてください」
長谷部は身を乗り出して真剣に訴える。
弦はめぐに頷いてから、長谷部に向き直った。
「はい、全て長谷部さんにお任せします。どうぞよろしくお願いいたします」
「本当ですか?雪村さんは?」
聞かれてめぐも頷いた。
「私も長谷部さんにお願いしたいです。長谷部さんになら安心して全てをお任せ出来ます。どうかよろしくお願いいたします」
「ありがとうございます!誠心誠意、お二人の大切な日を素晴らしい時間にさせていただきます。ずっと心に残る幸せな結婚式に」
「はい!ありがとうございます」
長谷部の優しさが痛いほど伝わってきて、めぐは必死に涙を堪えていた。



