「おはようございます。チェックアウトをお願いします」
翌朝。
めぐと弦は一緒にフロントに向かった。
長谷部の前に並んで立つと、長谷部はめぐが抱えたバラの花束と左手の薬指を見て笑顔になる。
「おめでとうございます、雪村さん、氷室さん」
「ありがとうございます、長谷部さん」
弦は改めて、長谷部の気遣いにも感謝した。
「長谷部さん。色々と手配してくださってありがとうございました」
「いいえ。お客様の人生にほんの少しでも寄り添えたのなら、ホテルマンとしてこの上なく幸せなことですから」
「はい、長谷部さんのお蔭です。本当にありがとうございました」
「良かったですね、雪村さんも氷室さんも。どうぞ末永くお幸せに」
そう言って微笑んでから、長谷部はやおらパンフレットを取り出した。
ん?と、めぐも弦も視線を落とす。
それはめぐが表紙を飾るホテルのブライダルパンフレットだった。
「結婚式はぜひ当ホテルで!お待ちしております」
「……はい?」
ポカンとしてから、めぐも弦も同時に笑い出す。
「長谷部さん、さすがです」
「これでも仕事が出来る男を自負しておりますので」
「確かに。バリバリのやり手でいらっしゃいますよ」
「ブライダルフェアは毎週末行っております。どうぞお二人揃ってお越しくださいませ」
そこまで言われてはたまらない。
めぐも弦も、はいと返事をしてホテルをあとにした。
翌朝。
めぐと弦は一緒にフロントに向かった。
長谷部の前に並んで立つと、長谷部はめぐが抱えたバラの花束と左手の薬指を見て笑顔になる。
「おめでとうございます、雪村さん、氷室さん」
「ありがとうございます、長谷部さん」
弦は改めて、長谷部の気遣いにも感謝した。
「長谷部さん。色々と手配してくださってありがとうございました」
「いいえ。お客様の人生にほんの少しでも寄り添えたのなら、ホテルマンとしてこの上なく幸せなことですから」
「はい、長谷部さんのお蔭です。本当にありがとうございました」
「良かったですね、雪村さんも氷室さんも。どうぞ末永くお幸せに」
そう言って微笑んでから、長谷部はやおらパンフレットを取り出した。
ん?と、めぐも弦も視線を落とす。
それはめぐが表紙を飾るホテルのブライダルパンフレットだった。
「結婚式はぜひ当ホテルで!お待ちしております」
「……はい?」
ポカンとしてから、めぐも弦も同時に笑い出す。
「長谷部さん、さすがです」
「これでも仕事が出来る男を自負しておりますので」
「確かに。バリバリのやり手でいらっしゃいますよ」
「ブライダルフェアは毎週末行っております。どうぞお二人揃ってお越しくださいませ」
そこまで言われてはたまらない。
めぐも弦も、はいと返事をしてホテルをあとにした。



