しばらくは赤い顔でソワソワしていためぐが、やがてスーッと眠りに落ちる。
弦はクスッと笑みをもらしてから、遠回りして帰ることにした。
以前と同じカフェのドライブスルーで、めぐの好きなホットサンドやサラダ、スープ、デザートをたくさん買い込む。

「めぐ?着いたぞ」

めぐのマンションに着くと、優しく肩を揺すって起こした。

「……ん、氷室くん?」

ぼんやりと目を開けるめぐはあどけなく、その愛らしさに弦はまためぐに口づける。
途端にめぐは、パチッと目を見開いた。

「お、おはようございます」
「おはよう、めぐ」
「ごめんなさい、私としたことが眠ってしまって……」
「いいよ」
「あの、眠気覚ましにコーヒーでも飲んでいかない?」
「ああ、じゃあそうしようかな」
「うん、少し休んでから帰って。眠いと運転危ないからって、私が言えたことじゃないんだけど……」

モゴモゴと口ごもるめぐに笑って、弦は来客用スペースに車を停める。
そのままめぐと一緒に部屋に上がった。