シンデレラのかけた魔法

『本当!?あれ、すっごくおいしかったんだよね〜。やったー!』

一つ屋根の下、一緒にいることが当たり前になっていった。喧嘩をすることもあったけど、幸せで溢れていた。ずっとこの毎日が当たり前に続いていくんだと思っていた。

あの運命の日、君はいつも通りこの部屋に帰ってきた。

『ただいま』

『おかえり』

いつも通り言葉を交わして、君は手を洗うために洗面所へ向かう。僕はテーブルに出来上がった夕飯を並べた。今日の夕飯はナスとトマトのパスタだ。ナスとトマトは職場の人から貰った。

『ごめん!職場に忘れ物しちゃったみたいで、今から取ってくるね。先に食べてて』

手を洗ってきた君は慌てた様子だった。どうやら急遽明日の会議の資料作りを頼まれたらしいが、作りかけの資料を会社に忘れてしまったらしい。

『もうちょっとで資料作りは終わるから、持って帰ってチャチャっと済ませちゃうね』