「桜さんてさ—…、ほんっと何に対しても無関心だよねー…」

「マジでそれなー。話しかけても“そう”とか“へー”ぐらいしかしゃべんないしねー」

「なんなら無視する時あるよね?」

「あるある!もうちょい愛想よくできないんかなー」



 2限目終わりの休み時間。



 そんなことを言いながら、私のほうをチラチラ横目で見る人達。

 …………今日もやってんなぁ、と思った。

 まぁ、普通他人から見たらそういう認識になるよね。

 それにしても、話すことがないのか、最近そういう話題ばっかりだ。

 話すことないなら、話さなければいいのに。

 私への当て擦りにしか思えないし、私に聞こえるくらいの声量だし。

 窓からの景色を見ながら、くだらないなぁ、と呟く。

 続けて、はぁ、とため息までつく。

 ガタ、という音を鳴らして席を立ち、教室を出る。

 群れるよりも、一人が好きだ。

 他人のペールに合わせると疲れるし、何より………“自分”を否定されるから。

 私が向かった先は、中庭の近くの外階段だった。

 誰も来ないから一人になれるし、人目も気にしなくていい。

 学校で一番好きな場所かもしれない。

 
 キーンコーンカーンコーン…………。


 そんなことを考えていたら、予鈴が鳴った。

 教室、戻ろっと。

 授業に遅れないよう、少し速足で教室に戻った。

⋆✦⋆

 時は進み、6限目終わりの放課後。

 私は図書室にいた。

 今日は特に予定がないから、のんびりと読書していた。

 宇宙の本、だった。

 多分、他の人たちは物語とかが好きなんだろうけど、私は宇宙とか歴史とかの本が好きだ。

 物語は……………読んでも、何も感じないし。

 物語じゃなくてもあまり感じないけど、物語よりはましだ。

 それにしても。

 たまには、こういうのも悪くないなぁ、と思った。

 普段は予定なんかなくても、家に帰ってのんびりしている。

 放課後、学校に残るのは初めてで、新鮮だった。

 読んでいた本が読み終わったため、新しい本を選ぶことにした。

 その本を元々あった本棚に戻し、歴史の本棚へ向かう。

 ドン、と誰かにぶつかった。その拍子に手に持っていた本が散らばる。

「すみません!大丈夫ですか!?」

「あ、はい。こちらこそすみませんでした」

 素っ気なさを感じる謝罪をし、しゃがんで本を拾おうとする。が、その前に本が私の前に差し出される。反射的にその先を見ると、さっきぶつかった人がいた。