「…警察に通報する。コイツをこのまま野放しにしたら危険だ。」
冷静に戻った紫音はそう言ったかと思うと、ポケットからスマホを取り出し、秒で電話をかけてしまう。
既にお互い雨で着ていた服もびしょ濡れだ。
「刑事さん、筧です。犯人捕まえました。直ぐに来て下さい。」
紫音の落ち着いた声と対照的に、慌てて声を荒げる梶原…
「はぁ!?何が犯人だ!お前が俺の心奈を奪った犯人だろ?ふざけやがって!!」
地面に座り込んだまま威勢だけは一丁前だ。
「何度も言わせるな。心奈は誰のものでも無い。そしてお前は立派な犯罪者だ。2度と彼女に近付くな。」
紫音の低い張りのある声が響く。
「俺はただコイツと話したくて来ただけだ。なんの罪も犯してない。」
口では威勢がいい事を言いながら、動揺して立ち上がった梶原は、後退りして逃げごしだ。
「心奈の家に忍び込んだだろうが。ドレスと装飾品一式盗んだ立派な犯罪者だ。」
「はぁ?俺は泥棒なんてしてない。言いがかりだ…。」
梶原はジリジリと後退りしながら遠ざかる。
「さっき、自分で暴露しただろ。ひらひらのドレスにブルーダイヤって、あれを心奈が着たのはあの夜一回だけだ。パーティーにいなかったお前が知る事はない情報だ。…逃げても無駄だ。」
紫音が梶原に一歩近付きその腕をねじ伏せる。
「紫音さん…!これ以上はダメです。」
慌てて心奈は紫音の片腕にしがみつき止める。
「何もしない。コイツを拘束するだけだから。…びしょ濡れじゃないか。風邪をひいたら大変だ早く傘を持って。」
我に帰った紫音が、心奈を心配しだすから、
自分だってびしょ濡れなのに…。
と、心奈はそんな紫音になんだかホッとして抱きついてしまう。
紫音もその温もりに心底ホッとしてぎゅっと心奈を抱きしめた。そしてその場に飛び散った心奈の傘や荷物に気付く。
まずは逃げようとする男を身に付けていたベルトで縛り、散乱した荷物を拾い集める。
今夜はカレーだったのか…と思うエコバッグの中身は、雨でびしょ濡れ卵も無惨に割れていた。
紫音から傘を渡された心奈は、これ以上紫音が濡れないようにと、懸命に傘を差し出し後を追った。
冷静に戻った紫音はそう言ったかと思うと、ポケットからスマホを取り出し、秒で電話をかけてしまう。
既にお互い雨で着ていた服もびしょ濡れだ。
「刑事さん、筧です。犯人捕まえました。直ぐに来て下さい。」
紫音の落ち着いた声と対照的に、慌てて声を荒げる梶原…
「はぁ!?何が犯人だ!お前が俺の心奈を奪った犯人だろ?ふざけやがって!!」
地面に座り込んだまま威勢だけは一丁前だ。
「何度も言わせるな。心奈は誰のものでも無い。そしてお前は立派な犯罪者だ。2度と彼女に近付くな。」
紫音の低い張りのある声が響く。
「俺はただコイツと話したくて来ただけだ。なんの罪も犯してない。」
口では威勢がいい事を言いながら、動揺して立ち上がった梶原は、後退りして逃げごしだ。
「心奈の家に忍び込んだだろうが。ドレスと装飾品一式盗んだ立派な犯罪者だ。」
「はぁ?俺は泥棒なんてしてない。言いがかりだ…。」
梶原はジリジリと後退りしながら遠ざかる。
「さっき、自分で暴露しただろ。ひらひらのドレスにブルーダイヤって、あれを心奈が着たのはあの夜一回だけだ。パーティーにいなかったお前が知る事はない情報だ。…逃げても無駄だ。」
紫音が梶原に一歩近付きその腕をねじ伏せる。
「紫音さん…!これ以上はダメです。」
慌てて心奈は紫音の片腕にしがみつき止める。
「何もしない。コイツを拘束するだけだから。…びしょ濡れじゃないか。風邪をひいたら大変だ早く傘を持って。」
我に帰った紫音が、心奈を心配しだすから、
自分だってびしょ濡れなのに…。
と、心奈はそんな紫音になんだかホッとして抱きついてしまう。
紫音もその温もりに心底ホッとしてぎゅっと心奈を抱きしめた。そしてその場に飛び散った心奈の傘や荷物に気付く。
まずは逃げようとする男を身に付けていたベルトで縛り、散乱した荷物を拾い集める。
今夜はカレーだったのか…と思うエコバッグの中身は、雨でびしょ濡れ卵も無惨に割れていた。
紫音から傘を渡された心奈は、これ以上紫音が濡れないようにと、懸命に傘を差し出し後を追った。



