夕方までドライブをして家に送ってもらう。
12時からはいつものコンビニバイトが待っている。
今夜も送ると言いはる紫音さんに、大丈夫だからと言って聞かす。
彼にだって仕事はある。
確かに時間に融通は効くのかも知れないけれど…完成させなければいけない期限はある筈だ。
今までは期限限定のお付き合いだと思っていたから許していたけれど、今日からは無期限の保証無しだ。
甘え過ぎてはいけないと、自分自身を律する為に気を引き締める。
「最近、運動不足ですし、美味しいものも沢山食べてて…このままではマズイと思うんです。」
いろいろと口実を並べ彼を説得する。
「心奈は変なところで強情で困る。」
到着したアパートの駐車場で、先程からずっとこんな調子で押し問答だ。
「紫音さんだってさっき、私のしたいようにしてくれていいって言いました。」
子供のようないい訳をする。
「心奈の身の安全に関しては譲れない。」
紫音さんも、この事ばかりは折れてくれない。ずっと平行線を辿るからさすがに空気が悪くなってくる。
「もう…嫌いっていいますよ。融通の効かない紫音さんは…。」
もちろん本気でないけど、これが最後だとばかり、私とした事が大きな賭けに出る。
「はっ…⁉︎ちょっと待って。
…心奈に嫌われたら、俺にとってそれは死に値する。少し考えさせてくれ。何か良い方法を考えるから。」
大袈裟過ぎる程の反応を見せ、彼が慌てて食い気味に言葉を遮る。
そしてしばしの沈黙の後、口を開く。
「じゃあさ。追跡アプリを入れさせてくれないかな?心奈がどこに居るのか逐一分かるように…そのぐらいしないと、心配で仕事どころではなくなる。」
お父さんみたいな事を言う。
「…分かりました。それで自転車で行かせてくれるなら。」
そう言って譲歩を示す。
私の毎日はとても単調だから、仕事場かスーパーか家ぐらいしか行く事はない。
特に変わり映えのない日々だから、監視されていたとしてもなんの問題もない。
「分かって欲しい。心奈がなにより大事なんだ。君に何があったら俺は生きていけない。」
「ちょっと…大袈裟過ぎます。」
普段落ち着いている彼がこんな事で必死なのが、ちょっと可笑しくて、ふふっと笑ってしまう。
それからスマホを渡して設定してもらう事にする。
「俺の居場所も、心奈からいつでも分かるようになってるから。」
「はい…ありがとうございます。それでは、また。」
と、お礼を言って車を降りようとすると、すかさず止められて、いつものように先に車を降り助手席のドアを外から開けてくれる。
「荷物が多いから部屋まで持って行く。」
確かに、ドレスや小物類が入った紙袋が2つあるけど…持てない訳ではない。
「大丈夫ですよ?持てます。」
わざわざ2階まで上がってもらうのも申し訳ないと思ってそう言うと、
「本当は前からそうしたかったんだ。だけど、仮の関係だから遠慮していた。」
普通の恋人同士はそんなふうにするのだろうか…?
少し過保護な気がするけど、さっきの気まずい余韻を引きずったまま別れるのも寂しくて、ここは折れてお願いする。
12時からはいつものコンビニバイトが待っている。
今夜も送ると言いはる紫音さんに、大丈夫だからと言って聞かす。
彼にだって仕事はある。
確かに時間に融通は効くのかも知れないけれど…完成させなければいけない期限はある筈だ。
今までは期限限定のお付き合いだと思っていたから許していたけれど、今日からは無期限の保証無しだ。
甘え過ぎてはいけないと、自分自身を律する為に気を引き締める。
「最近、運動不足ですし、美味しいものも沢山食べてて…このままではマズイと思うんです。」
いろいろと口実を並べ彼を説得する。
「心奈は変なところで強情で困る。」
到着したアパートの駐車場で、先程からずっとこんな調子で押し問答だ。
「紫音さんだってさっき、私のしたいようにしてくれていいって言いました。」
子供のようないい訳をする。
「心奈の身の安全に関しては譲れない。」
紫音さんも、この事ばかりは折れてくれない。ずっと平行線を辿るからさすがに空気が悪くなってくる。
「もう…嫌いっていいますよ。融通の効かない紫音さんは…。」
もちろん本気でないけど、これが最後だとばかり、私とした事が大きな賭けに出る。
「はっ…⁉︎ちょっと待って。
…心奈に嫌われたら、俺にとってそれは死に値する。少し考えさせてくれ。何か良い方法を考えるから。」
大袈裟過ぎる程の反応を見せ、彼が慌てて食い気味に言葉を遮る。
そしてしばしの沈黙の後、口を開く。
「じゃあさ。追跡アプリを入れさせてくれないかな?心奈がどこに居るのか逐一分かるように…そのぐらいしないと、心配で仕事どころではなくなる。」
お父さんみたいな事を言う。
「…分かりました。それで自転車で行かせてくれるなら。」
そう言って譲歩を示す。
私の毎日はとても単調だから、仕事場かスーパーか家ぐらいしか行く事はない。
特に変わり映えのない日々だから、監視されていたとしてもなんの問題もない。
「分かって欲しい。心奈がなにより大事なんだ。君に何があったら俺は生きていけない。」
「ちょっと…大袈裟過ぎます。」
普段落ち着いている彼がこんな事で必死なのが、ちょっと可笑しくて、ふふっと笑ってしまう。
それからスマホを渡して設定してもらう事にする。
「俺の居場所も、心奈からいつでも分かるようになってるから。」
「はい…ありがとうございます。それでは、また。」
と、お礼を言って車を降りようとすると、すかさず止められて、いつものように先に車を降り助手席のドアを外から開けてくれる。
「荷物が多いから部屋まで持って行く。」
確かに、ドレスや小物類が入った紙袋が2つあるけど…持てない訳ではない。
「大丈夫ですよ?持てます。」
わざわざ2階まで上がってもらうのも申し訳ないと思ってそう言うと、
「本当は前からそうしたかったんだ。だけど、仮の関係だから遠慮していた。」
普通の恋人同士はそんなふうにするのだろうか…?
少し過保護な気がするけど、さっきの気まずい余韻を引きずったまま別れるのも寂しくて、ここは折れてお願いする。



