求婚は突然に…       孤独なピアニストの執着愛

ドライブスルーで注文をして、近くの公園の駐車場に車を停める。

風は冷たいけど、暖かいな日差しが眩しい。こんな昼下がりに外に出たのは久しぶりだと思い出す。

公園ではしゃぐ可愛らしい子供の声に耳を傾けていると、自然と力が抜けてきて、ふっと笑顔になる。

「良かった…笑った。」
隣からそう呟く声を聞き、振り向いて首を傾げる。

「私…怒ってませんよ?」

「いや…嫌われて…帰っちゃうかと…。」
ハンバーガーを私に手渡しながら、彼が苦笑いをする。

そして、思い出したかのようにメガネを元通りに掛け直してくれた。

「目が腫れて…ブサイクになってませんか?」
恐る恐る聞いてみる。

「可愛いよ。どんな顔でも心奈は可愛い。」
当たり前のようにそう言ってくる。

彼の可愛いは…他の人とちょっと、違うのかも知れない…。
ハンバーガーを食べながら、ふとそう思う。

「久しぶり食べたけど、美味いな。」
そう言う彼は既にハンバーガーを食べ終わっていた。