「いらっしゃいませ。いつものタバコで良いですか?」
この時間帯、大抵やって来るのは常連のお客様で、この方は1日1回この時間帯にタバコを買いにやって来る。
「ああ、25番と…肉まん。後、これも。」
そう言って客はレジ台に、ホットのミルクティーを置く。
見た目30代男性。作業着姿は交代勤務だろうか…。日焼けした手は節々立っていて、太くてゴツい指をしている。爪の先に黒く油が付着しているから仕事帰りだろう…。
左薬指には指輪が光る、既婚者だ。
見た目がなんであろうと、この指に指輪をはめてると言う事実は、私をいくらかホッとさせる。
この年代で指輪をしてない男は既婚者だろうと、浮気性の女好き…または、既に浮気相手がいる可能性あり。
それにしても…ミルクティーなんて珍しい。ミルクティーは大概女子の飲み物だ。
「俺がミルクティーなんて柄じゃ無いって?」
顔見知りの常連客だからそんな軽口をたたいて来る。
「…甘党なんですね。」
私は目も合わさないスンとした雰囲気のまま、そう言って商品を渡す。
「嫁が最近起きて待っててくれるからさ。…ちょっとしたお土産だよ。」
照れ笑いしたこの客は、私にとって安全ラインの白判定だ。
「良い旦那さんですね。お会計1280円になります。」
終始目線は合わさないが、少しだけ肩の力をを抜いてお釣りを渡す。
「…笑うんだな…初めて見た。」
そう言って客は『じゃあな。』と言って去っていった。
そう、私は愛想の無い店員だ。誤解を招く事もあるが、これでも精一杯の接客をしているつもり…。
笑わないんじゃ無く、笑えないだけ…。
この時間帯、大抵やって来るのは常連のお客様で、この方は1日1回この時間帯にタバコを買いにやって来る。
「ああ、25番と…肉まん。後、これも。」
そう言って客はレジ台に、ホットのミルクティーを置く。
見た目30代男性。作業着姿は交代勤務だろうか…。日焼けした手は節々立っていて、太くてゴツい指をしている。爪の先に黒く油が付着しているから仕事帰りだろう…。
左薬指には指輪が光る、既婚者だ。
見た目がなんであろうと、この指に指輪をはめてると言う事実は、私をいくらかホッとさせる。
この年代で指輪をしてない男は既婚者だろうと、浮気性の女好き…または、既に浮気相手がいる可能性あり。
それにしても…ミルクティーなんて珍しい。ミルクティーは大概女子の飲み物だ。
「俺がミルクティーなんて柄じゃ無いって?」
顔見知りの常連客だからそんな軽口をたたいて来る。
「…甘党なんですね。」
私は目も合わさないスンとした雰囲気のまま、そう言って商品を渡す。
「嫁が最近起きて待っててくれるからさ。…ちょっとしたお土産だよ。」
照れ笑いしたこの客は、私にとって安全ラインの白判定だ。
「良い旦那さんですね。お会計1280円になります。」
終始目線は合わさないが、少しだけ肩の力をを抜いてお釣りを渡す。
「…笑うんだな…初めて見た。」
そう言って客は『じゃあな。』と言って去っていった。
そう、私は愛想の無い店員だ。誤解を招く事もあるが、これでも精一杯の接客をしているつもり…。
笑わないんじゃ無く、笑えないだけ…。



