「すいません、お待たせしました。」
仕事が終わり私服に着替えた私は、足早にコンビニ前の待ち合わせ場所に向かう。
駅前の待ち合わせ広場のような、小さな公園になっている。
黒いジーンズに黒のハイネックセーター。その上に白のダウンジャケット…先程のうる覚えで長身の男性の姿を探す。
奥の方のベンチに長い足を折り曲げて座っている男性が1人。手には缶コーヒーを持っている。ぼんやり噴水を眺めている彼を見つけて走って近寄る。
「すいません、お待たせしました。」
私は駆け寄りながら彼にそう声をかける。
「いや、こちらこそ、不躾にお呼び立てしてしまいすいません。」
男性はわざわざ立ち上がり頭を下げてくるから、
「いえいえ…。こちらこそ、何か昨日の事で不手際がありましたか?」
と尋ねてみる。
「いえ、その事では無くて…。実はお願いがありまして…。」
そう言ったきりしばらく沈黙が続く。
さすがの私も顔を上げて彼の様子を伺い見る。
「どんな…ご用件ですか?」
その吸い込まれそうな綺麗な目をチラリと見て、次の言葉をしばらく待つ。
「…とりあえず座って下さい。」
彼に促されてベンチに腰掛けると、彼も私の横に座ってくる。
少し緊張するが今は屋外で広い空間は、近くに人がいる気配も感じるから、こんなに近くに男性がいても、病気の発作は起こらなそうだった。私は人知れずホッとする。
「あの…?」
なかなか話し出さない彼が心配になって呼びかける。
「葉月さん。葉月…心奈さん…。」
「えっ…?は、はい…。」
どうしてこの人…私のフルネームを知ってるのだろう…。疑問に思いながらチラリと目線を投げかける。
そこには真剣な眼差しで私を見ている彼が居て驚く。怖いながらも視線を外す事が出来なくて…つい、見つめてしまう。
「俺と、結婚してくれないだろうか…。」
その瞬間、サァーと風が吹き抜けて時が止まったかのような、まるで2人だけしかいない世界に迷い込んだような…不思議な感覚に襲われる。
頭が真っ白になり、彼が発した言葉の意味が理解出来ないでいた。
「へっ?…えっ…!?」
結婚?…結婚って言ったの!?何で…?見ず知らずの私に?…プロポーズ⁉︎
頭はショート寸前で、何故だか分からないけど逃げ出したい感覚に襲われる。
仕事が終わり私服に着替えた私は、足早にコンビニ前の待ち合わせ場所に向かう。
駅前の待ち合わせ広場のような、小さな公園になっている。
黒いジーンズに黒のハイネックセーター。その上に白のダウンジャケット…先程のうる覚えで長身の男性の姿を探す。
奥の方のベンチに長い足を折り曲げて座っている男性が1人。手には缶コーヒーを持っている。ぼんやり噴水を眺めている彼を見つけて走って近寄る。
「すいません、お待たせしました。」
私は駆け寄りながら彼にそう声をかける。
「いや、こちらこそ、不躾にお呼び立てしてしまいすいません。」
男性はわざわざ立ち上がり頭を下げてくるから、
「いえいえ…。こちらこそ、何か昨日の事で不手際がありましたか?」
と尋ねてみる。
「いえ、その事では無くて…。実はお願いがありまして…。」
そう言ったきりしばらく沈黙が続く。
さすがの私も顔を上げて彼の様子を伺い見る。
「どんな…ご用件ですか?」
その吸い込まれそうな綺麗な目をチラリと見て、次の言葉をしばらく待つ。
「…とりあえず座って下さい。」
彼に促されてベンチに腰掛けると、彼も私の横に座ってくる。
少し緊張するが今は屋外で広い空間は、近くに人がいる気配も感じるから、こんなに近くに男性がいても、病気の発作は起こらなそうだった。私は人知れずホッとする。
「あの…?」
なかなか話し出さない彼が心配になって呼びかける。
「葉月さん。葉月…心奈さん…。」
「えっ…?は、はい…。」
どうしてこの人…私のフルネームを知ってるのだろう…。疑問に思いながらチラリと目線を投げかける。
そこには真剣な眼差しで私を見ている彼が居て驚く。怖いながらも視線を外す事が出来なくて…つい、見つめてしまう。
「俺と、結婚してくれないだろうか…。」
その瞬間、サァーと風が吹き抜けて時が止まったかのような、まるで2人だけしかいない世界に迷い込んだような…不思議な感覚に襲われる。
頭が真っ白になり、彼が発した言葉の意味が理解出来ないでいた。
「へっ?…えっ…!?」
結婚?…結婚って言ったの!?何で…?見ず知らずの私に?…プロポーズ⁉︎
頭はショート寸前で、何故だか分からないけど逃げ出したい感覚に襲われる。