隠れ御曹司は、最強女子を溺愛したい



それから数週間後。


梅雨入りしてからはずっと雨だったけど、今は梅雨の中休みだからか、ここ何日か晴れの日が続いている。


「菜乃花。今日は天気もいいし、久しぶりに中庭でお昼にしない?」

「いいね」


彗くんに誘われ、私たちは中庭で昼食をとることに。


中庭のベンチに彗くんと並んで座っていると、さらりとした風が頬をかすめる。


青空の下、久しぶりに外で食べるご飯は美味しくて。いつもよりもお箸が進む。


「あのさ、菜乃花」


隣に座る彗くんが、ウインナーを頬張っている私に、細長い封筒を渡してきた。


「えっと、これは?」

「来週末、都内のホテルで三池財閥主催のパーティーがあるんだけど。これは、その招待状」


彗くんから招待状を受け取った私は、ゴクリと唾を飲み込む。


「もしかしてこれが、前に彗くんが話してた例のパーティー?」

「ああ、そうだよ」