そして、約束の日曜日。
この日は、朝から彗くんの執事である見上さんが、自宅まで車で迎えに来てくれた。
「おはようございます、羽生さん。どうぞお乗りください」
見上さんは私に向かって恭しくお辞儀をすると、黒塗りの高級車の後部座席のドアを開けてくれた。
こんなふうにされるのは、初めてのことで。
まるで自分が、お嬢様にでもなったような気分。
「し、失礼します」
彗くんの家の車に乗るのは、最初に彼とボディーガード兼カノジョの契約を交わしたあの日以来だけど。
広い車内に、座席はふかふかで。乗り心地は、相変わらず最高だ。
彗くんは今自宅にいるらしく、見上さんの運転で私は三池家に到着。
見上さんにエスコートされて車を降りると、私は目の前の光景に開いた口が塞がらなくなった。



