今、保健室には私と彗くん以外誰もいない。
今後もボディーガードとして彼を護衛するうえで、何か支障が出たりしたらいけないし。
やっぱり彗くんには、私のことを知っていてもらいたい。
ベッドに横になっていた私は、上半身を起こす。
「ねえ、彗くん。私の話、聞いてくれる?」
「もちろん」
「あの、実は……」
ドキドキしながら私は、口を開いた。
小学2年生の夏に、川で溺れたこと。
そのとき溺れた自分を助けてくれた中学生の男の子が、亡くなってしまったこと。
川で溺れて以来、水が怖くて今も海やプールに入れずにいること。
私は、全てを包み隠さず彗くんに話した。
その間、彗くんは黙ってじっと私の話を聞いてくれていたけど……。
彗くん、どう思ったかな?



