隠れ御曹司は、最強女子を溺愛したい



* *


次に目を覚ますと、見慣れない天井が視界に入ってきた。


そして、ツンとした薬品の匂いが鼻をかすめる。


あれ、ここは……。


「あっ、起きた?」


え?


声がしたほうに目をやると、すぐそばで彗くんが私のことを見ていた。


「えっと。彗くん、私……?」

「ここは、保健室。菜乃花、体育の授業前に更衣室で倒れたんだよ」

「ええ!? たっ、大変! 授業……!」


私は慌てて、保健室のベッドから上半身を起こす。


勢いよく身体を起こしたせいか、ほんの少し頭がクラクラした。


「うっ」

「菜乃花、あまり無理するなって。もう少し、横になってなよ」


横になるよう彗くんに促され、私は再びベッドに寝転ぶ。