隠れ御曹司は、最強女子を溺愛したい



「……っ、はぁ」


あ、あれ? なんだか突然息が吸いにくくなって、苦しい。


まるで水のなかにでもいるかのように、呼吸が上手くできない。


ドクドクドクドク。


動悸がして、胸の鼓動はどんどん速くなっていく。


どうしてまた、こんな急に……。


「っ!」


そう思ったら、突然目の前が真っ暗になって身体がグラッと大きく傾いた。


「菜乃花ちゃん!?」


千春ちゃんが私を呼ぶ声がしたけれど。


返事もできないまま、私の意識は遠のいていった──。