偽とはいえ、学校のみんなには私が彗くんの彼女だってことが知れ渡っているから。
あの場合、私を連れて行くのが一番無難だったのだろうし。
そう思うと、なぜか胸がチクッと痛くなった。
「言っておくけど、菜乃花が俺のボディーガードでニセカノだからとか、そういう理由で選んだわけじゃないからね?」
「え?」
まるで私の心の中を読んだかのように、彗くんが口を開く。
「菜乃花は、俺にとって本当に大切な人だって思ってるから」
彗くん……。
彼の言葉が、私の心にしみ渡る。
「いつもありがとう。これからもよろしく」
「こちらこそだよ」
頭を優しくポンポンしてくれる彗くんに、胸がキュンと高鳴った。
私にとっても彗くんは、間違いなく大切な存在になりつつある。
彗くんと一緒にいると、最近はドキドキしたり。彼の言葉ひとつで、元気になったり。
この感情が何なのか分からないけど……これからも、彼の近くにいたいと思っている自分がいるんだ。
このあとも競技は続き……。
7時間にも及ぶ花城学園の体育祭では、私たち白チームが見事優勝し幕を閉じた。



