「頼む、菜乃花。俺のお題は、菜乃花じゃないとダメなんだ」
その声にハッとしたのとほぼ同時、私は彗くんに手を取られた。
「ごめん、蓮くん。私、彗くんと走るよ」
私は彗くんの左手をしっかりと握りしめると、彼と一緒にゴールを目指して走り出す。
途中で足がもつれて転びそうになったけど、何とか堪える。
「菜乃花! あと少しだから、頑張ろう」
時折声をかけながら、私のスピードに合わせて走ってくれる彗くん。
「うんっ」
やがて、目の前にゴールテープが見えて。
私は彗くんと手を繋いだまま、ふたりで一緒にゴールテープを切った。



