隠れ御曹司は、最強女子を溺愛したい



それから少しして私は、お父さんの仕事の都合で他県に引っ越した。


そのため、あの川へは一度も行くことがなかったけれど。


7歳のあの日、川で溺れたことをキッカケに私は、もっとちゃんと泳げるようになりたい。


そして、自分の身は自分で守れるようになろうと思うようになり、水泳や空手、合気道を習うようになった。


日々練習に打ち込み、空手に関しては全国大会で優勝できるくらいの腕前になった。


そして、自分を助けてくれた葵くんみたいに、誰かの役に立ちたいと思うようになった私は、街でたまたま遭遇したスリの犯人を捕まえて警察から表彰されたり。


弱い者イジメをするクラスメイトの男の子を懲らしめたりしていたため、いつしか強いことが学校中に知れ渡り、男の子は自分に寄り付かなくなってしまった。


だから私は、今まで彼氏ができるどころか男の子の友達すら一人もいなかったというワケだ。