隠れ御曹司は、最強女子を溺愛したい



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「今日は、来月の体育祭の出場種目について決めていくぞー」


音楽の授業のあとのホームルームでは、5月に行われる体育祭の種目決めが行われた。


体育祭……もうそんな時期なんだ。


前に通ってた中学校では、体育祭は10月にあったから。


個人種目は、50メートル走と借り物競争、障害物競争のなかから選べるらしい。


この中なら、50メートル走かな。


普通に走るだけなら、私にもできそうだし。


そう思い迷わず手を挙げたけど、希望者が多くジャンケンをすることに。


うう、負けた……ついてない。


ジャンケンにあっさり負けてしまった私は、その代わりに障害物競争に出ることが決まった。


「へー。菜乃花って、ケンカは強いけどジャンケンは弱いんだ?」


教壇から自分の席へと戻るとき、彗くんの席のそばを通りかかった私に、彼が私にだけ聞こえる声で言った。


「ひ、人には、得意不得意があるから」

「確かにそうだね」

「そういう彗くんは? 何の種目に出るの?」

「俺? 俺は、借り物競争」


借り物競争かあ。引き当てたお題によっては、探すのが大変そう。


「まあ菜乃花も、障害物に足を引っかけたりして転ばないようにね?」

「こ、転ばないから!」


それだけ言うと、私は急いで自分の席へと戻った。