「まあ、交際の噂が一気に広まった一番の原因は、蓮なんだろうけど。あいつ、口軽いから」 彗くんは女子たちの話を特に気にする様子もなく、平然と話す。 「俺がボディーガードを頼んだせいで、菜乃花まで笑われちゃって申し訳ないけど……」 首を横に振ると、彗くんの唇が私の耳元に近づく。 「……菜乃花のことは、俺が守るから」 彗くんの言葉に、ドキリとする。 「もし何かあったら、俺に言って?」 「う、うん。ありがとう」 私が返事すると、彗くんはニコッと優しく微笑んでくれた。