迷いもなく、彗くんがキッパリと告げる。
「はっ、はあ!?」
速水くんは、ハトが豆鉄砲を食らったような顔をしている。
「ちょっと! 彗って、こういう地味な子がタイプだったの?」
うう。速水くんったら、ストレートだなぁ。
私、絶対に釣り合ってないって思われてるよね。
「蓮、失礼だぞ。そもそも交際は、俺のほうからお願いしたんだから。俺は、街で菜乃花が人助けする姿を見て、彼女の優しさに惚れたんだよ」
彗くん……。
「まあ一番は、男子も顔負けの君の強さに惹かれて……だけどね?」
私の耳元に唇を近づけ、囁くように話す彗くん。
フォローしてくれたと思ったら、そんなことを言って……!



