「す、彗くんのいとこ!?」
速水くんの言葉に、私は開いた口が塞がらない。
彗くんのほうを見ると、肯定するかのようにコクリと頷いた。
「学校で蓮との関係は公にしてないけど。蓮は俺のいとこで、速水財閥の跡取りだ」
……どうりで。なんとなく顔の雰囲気が、彗くんと似てるなって思った。さすがに、そっくりってワケではないけど。
「それで? キミは?」
「え?」
「羽生さんは、彗の何なの? 彗が女の子と歩いてるなんて、珍しいよね」
「えーっと。私は……」
速水くんに聞かれて、私は口ごもる。
いとこなら、彗くんが三池財閥の御曹司なのはもちろんよく知ってるだろうけど。
私が彼のボディーガードってことは、内密にって言われたし。
「……彼女だよ」
どう答えようか私が迷っていると、彗くんが口を開いた。
「え? 彼女!?」
「ああ。菜乃花は、俺の彼女だ」



